日本に帰化するためには、書類審査だけでなく「面接」も大きなカギとなります。面接は多くの方が緊張しやすい場面ですが、どんなことが聞かれるのか、どのように準備すれば良いのかを理解しておけば、落ち着いて対応できます。ここでは、実際の帰化面接で質問されやすい内容や押さえておきたいポイントについてご案内します。
面接でよく取り上げられる6つのテーマ
面接の質問内容は申請者の事情や担当する審査官によって異なりますが、一般的によく聞かれるのは次の6つの項目です。
1. これまでの経緯
どんな理由で日本に来たのか、これまでの生活はどうだったのかを尋ねられます。
- 生まれた場所や来日したきっかけ
- 日本での居住歴や学歴・仕事歴
自然体で、ご自身の歩みをそのまま伝えることが大切です。
2. 仕事の内容
現在の仕事内容や職歴、申請内容と合致しているか、また日本で安定した生活を送っているかなどを確認されます。
- 勤め先の名前、業種、どんな仕事をしているか
- 年収や職場の雰囲気、同僚との関係
申請書に記入した内容と食い違いがないようにしましょう。
3. 家族について
家族構成や、日本にどれくらい縁があるのかなどを聞かれることがあります。
- 本国の家族が帰化に賛成か反対か、その理由
- 日本にいる家族や同居人のこと
周囲の人たちとの関係を説明できるようにしておくと安心です。
4. 配偶者との関係や婚姻歴
配偶者がいる場合、結婚に至った経緯や、場合によっては離婚歴についても質問されます。
- いつどこで知り合い、どんなふうに交際が始まったか
- 配偶者の仕事や家庭での役割など
偽装結婚でないことを確認する意味もあります。
5. 法令を守っているか
日本の法律を遵守しているかどうかも、しっかりチェックされます。
- 犯罪歴や交通違反の有無
- 銀行口座の大きな出入りについての説明
隠し事をせず、正直に答えることが一番です。
6. 年金・税金の支払い状況
会社員の場合は書類で確認されることが多いですが、自営業や会社経営の場合、面接で改めて給付や納税状況を確認されるケースもあります。
- 納税や年金に未納がないかどうか把握しておきましょう
面接が行われる主な目的
面接の主な目的は以下の2つです。
- 提出した書類が正しい内容か、本人と照らし合わせて確認すること
- 日本語でコミュニケーションをきちんととれるかをチェックすること
つまり、生活面や人柄、日本語力に大きな問題がなければ、基本的には心配いりません。
面接を受けるときのアドバイス
面接に臨む上で用意しておきたいこと・気をつけたいことをまとめます。
- 書類の内容をよくおさらいする
自分が何を申請書に書いたのか、しっかり覚えておきましょう。 - 質問には素直に、誠実に答える
少しでも分からないことは、そのまま伝えても構いません。嘘は大きなマイナスになりますので絶対に避けてください。 - 清潔感のある服装で面接に臨む
必ずしもスーツは必要ありませんが、身だしなみが整っているかどうかは大事なポイントです。シワのある衣服や汚れた服は控えましょう。
おわりに
帰化審査の面接は、突飛な質問が出ることはほとんどなく、ほぼ申請書に書かれた内容の確認が中心です。ご自身の歩みや現在の生活について、リラックスして日本語で伝えられれば、十分に対応できます。不安な方は、専門家に相談して備えるのも良いでしょう。しっかり準備をして、自信を持って面接に臨んでください。