帰化申請母国の書類が集めらない!どうしよう?

母国書類が入手できない場合の対処法——申述書・上申書の活用 | 帰化申請専門事務所
帰化申請 ・ 書類対策

母国の書類が入手できない——
そんな時は「申述書・上申書」で対応できます

法務局から求められた母国の書類でも、やむを得ない事情があれば申請を進めることができます。正しい対処法を解説します。

帰化申請では、法務局から母国で発行された各種証明書の提出を求められます。しかし、どうしても書類を入手できないケースが存在します。そのような場合、帰化申請そのものを諦めなければならないのでしょうか?

答えは「いいえ」です。やむを得ない事情がある場合は、その理由を適切に書面で説明することで、法務局に申請を受理してもらえる可能性があります。本記事では、その具体的な方法と注意点を解説します。


「入手できない」の定義——まず確認すべき重要な前提

ここでいう「入手できない」とは、母国の当局がそもそも当該書類を発行できない・発行してくれない場合を指します。以下の区別をまず明確にしておきましょう。

✗ 対象外のケース
  • 母国に親族がいないため取り寄せられない
  • 仕事が忙しくて帰国できない
  • 手続きが面倒で後回しにしている
✔ 対象となるケース
  • 母国の当局が書類の発行自体を行っていない
  • 制度上、証明書の発行が不可能
  • 記録が法的に抹消されている
📌 コロナ禍のケースについて

コロナ禍で帰国できず書類を収集できなかった場合については、法務局は「コロナが落ち着いて帰国できるようになってから、収集して提出してください」という方針でした。

この場合は「発行不可能」ではなく「一時的に収集困難」に当たるため、状況が改善された後に提出することが求められます。


具体的なケース——どんな状況で書類が入手できないのか

ケース 01|前婚記録の抹消 国によっては、親が再婚した際に前婚(過去の結婚・離婚)に関する記録が戸籍や公的記録から抹消されてしまうことがあります。この場合、前婚の結婚証明書・離婚証明書、あるいはそれらに基づく公証書を発行してもらうことができません。
ケース 02|婚姻届の不提出 そもそも婚姻届を役所に提出していないために、公的な結婚証明書や婚姻に関する書類の発行が制度上不可能なケースもあります。慣習婚や宗教婚のみで婚姻関係が成立している国・地域では、こうした状況が生じることがあります。
ケース 03|制度・記録の不備 行政インフラが整備されていない地域や年代においては、出生記録・家族関係の記録自体が存在しないことがあります。また、戦争や災害によって公的記録が失われているケースも該当します。
ケース 04|当局の発行拒否 政治的事情や行政上の理由から、母国の当局が特定の書類の発行を拒否するケースも存在します。この場合も、発行を拒否されたという事実自体を証明する書面が必要になることがあります。

対処法——「申述書・上申書」を作成する

上記のようなやむを得ない事情で書類を入手できない場合、A4用紙に「なぜ書類を提出できないのか」という合理的な理由を記した書面を作成します。この書面は一般に「申述書」または「上申書」と呼ばれます。

📄 申述書・上申書とは:法務局に対して、書類を提出できない事情を説明し、その状況下での申請受理を求める書面です。書類の代替ではなく、書類が存在しない・発行できない理由を誠実に説明するものです。

申述書・上申書に記載すべき内容

1

提出できない書類の特定

法務局から求められた書類の名称・種類を明確に記載します。「○○国発行の婚姻証明書」など、具体的に特定します。

2

入手できない理由の詳細な説明

なぜ書類が存在しないのか、または発行できないのかを具体的かつ論理的に説明します。該当国の法律・制度・慣習なども補足として記載するとより説得力が増します。

3

代替となる情報・証拠の提示

書類が存在しないことを裏付ける情報や、事実を証明できる代替資料(関係者の証言書、当局からの回答書など)があれば合わせて提出します。

4

申請者本人の署名・押印

申述書・上申書は申請者本人が作成・署名するものです。内容の真実性を自ら宣誓する形式で仕上げます。

📋 申述書・上申書の記載例(イメージ)
申 述 書

私、○○○○は、帰化許可申請に関し、以下の通り申述いたします。

法務局より提出を求められております「○○国発行の○○証明書」について、以下の理由により提出することができません。

【理由】
○○国においては、○○の場合、当該記録が法律上抹消される制度となっており、現在の行政機関においても証明書の発行が不可能な状況です。なお、○○当局に問い合わせた結果、発行不可能である旨の回答を受けており、その回答書を別添として提出いたします。

以上の事情により、誠に申し訳ございませんが、書類の提出が叶わない旨、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

令和○年○月○日
申請者氏名       印

申述書・上申書を作成する際の注意点

⚠ 「面倒だから」は理由になりません

申述書・上申書はあくまで「制度上・物理的に発行不可能な場合」の例外的な対応手段です。

書類の収集が面倒、手間がかかる、費用がかかるといった理由では、法務局に受け入れてもらえません。正当な理由がある場合に限り、誠実かつ具体的に説明することが前提です。

💡 専門家への相談をお勧めします:申述書・上申書の内容が不十分・不正確であった場合、申請の遅延や却下につながることがあります。作成にあたっては、帰化申請の実務に精通した行政書士に相談されることを強くお勧めします。

当事務所からのメッセージ

「書類が入手できないから帰化申請を諦めなければならない」——そう思っていた方も、諦める必要はないかもしれません。やむを得ない事情を適切に説明することで、申請を受理してもらえる可能性があります。

当事務所では、母国書類の収集が困難なケースにおける申述書・上申書の作成支援、および法務局との折衝サポートを行っています。「自分のケースが対象になるかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

相談のご予約はこちら →